これが理由

これが理由

日の暮れる時間が早くなってきましたね。
秋の夕暮、寂しい気持ちになったりして。



今日は「タイヤフィッターはなぜエアツールやインパクトを使わないのか?」を実際に起こった事例を用いて説明します。
まず最初に。
タイヤフィッターでは車両へのホイール脱着の際、エアツールやインパクトレンチを使いません。
ソケットレンチを使って手作業で脱着します。
これは時間も体力も使う作業ですが、作業の安全性と確実性を確保するためにはこうするほうが良いという判断からです。


今日ご来店いただいたこちらのキャラバンくん。
スタッドレスタイヤへの組換えご希望が作業メニューでしたが・・・。
右前輪のホイールナット6個のうち、1個が外れません。


「強制的に外さないとタイヤ交換はできません。注意して作業しますがハブボルトが折れる可能性があるかも。」と説明し、作業継続のご了解をいただきナットをかじり取ったところ。


こういう状態になってました。
分かりますか?
正常な状態のハブボルトと今回外れなかった部分のハブボルト、比較画像で並べてみます。

 


ハブボルトがツブれてしまっているのが一目瞭然ですね。
おそらくですが、これはインパクトレンチのソケットにナットを入れて、ハブとの勘合を確認しないで締めてしまったのだと思います。
せめて、手でナットを少しでもハブに取り付けた後にツールで締めればここまでひどいことにはならなかったと思うんですけどね。

お話を聞くと、この作業を行ったのは大手量販店さん。
量販店さんではアルバイト君が作業の意図するところも分からずに、流れで作業することがあるようです。
厳しい言い方になりますが、量販店さんでは「プロとしての作業」を求めることはできないかもしれません。

今までの経験の中で、起こりうるであろうトラブルを想定する。
そしてそのトラブルを回避するために作業を組み立てる。
例え、非効率に思える内容であっても確実・丁寧に作業できるようにする。
それがタイヤフィッターの作業方針です。

これ、いざホイールを外す時でないと状態確認ができないんですが、こうなってしまうとハブボルトの打ち替え作業が必要になります。
修理するところまで走って行くにも不安がありますよね。
皆さんに「気を付けてくださいね。」と言える話ではないんですが、依頼する先がどういう作業をするのかは知っておいたほうが良いのではないかと思います。

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