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2026.9.15
スタッフブログ

11:なぜホイール脱着を手作業で行うのか——安全のための判断

なぜホイール脱着を手作業で行うのか——安全のための判断

タイヤ交換の現場と聞いて、多くの方が思い浮かべるのは、インパクトレンチが勢いよく回る音かもしれません。エアーツールを使えば、ホイールのナットは一瞬で緩み、作業は速く進みます。ところが、タイヤ交換専門店のタイヤフィッターでは、ホイールの脱着も取り付けも、エアーツールや電動工具を使わず、すべて手作業で行っています。なぜ、あえて時間のかかる方法を選ぶのか。今回は、その理由を通じて、タイヤ交換という仕事の技術的な考え方を紹介します。

エアーツールを使わない、という判断

タイヤフィッターの公式サイトには、タイヤ交換の作業の流れが工程ごとに公開されています。その中で、車両からホイールを外す工程については、ボルトやナットに負担がかからないよう、すべて手作業で丁寧に行うと明記されています。そして、最後にホイールを車両へ取り付ける工程も同じです。エアーツールや電動工具を使わず、手作業で取り付ける。これは一部の特別な車だけの話ではなく、日々の作業に共通する基本方針です。

エアーツールが便利であることは、現場もよく分かっています。使えば作業スピードは確実に上がります。それでも手作業を選んでいるのは、速さよりも優先すべきものがあると考えているからです。

手作業だから、小さな違和感に気づける

その理由として公式サイトに挙げられているのが、小さな違和感にすぐ気づき、対処できることです。ナットやボルトを緩めるとき、手には手応えが伝わります。いつもより固い、回り方がおかしい、途中で引っかかる。こうしたわずかな変化は、ボルトやナットに不具合が起きかけているサインかもしれません。

手作業であれば、その瞬間に気づき、手を止めて確認できます。トラブルを未然に防ぐとともに、不具合が起きそうな状態をお客様に事前にご案内することもできます。一方、機械の強い力で一気に回してしまえば、その小さなサインは見逃されてしまうかもしれません。速さと引き換えに違和感を見逃しては元も子もない。それがタイヤフィッターの考え方です。

時間をかけるべきところに、時間をかける

誤解のないように付け加えると、手作業だからといって、作業全体が遅いわけではありません。公式サイトでも、作業の速さに触れたうえで、時間をかけなければいけないところにはしっかり時間をかける、という姿勢が示されています。

また、作業の最後には、お客様とともに締め付けの確認を行う工程も設けられています。手作業で確実に取り付け、最後にもう一度確認する。安全に関わる部分ほど、確認を重ねる仕組みになっています。

つまり、手作業は単なるこだわりではなく、工程ごとに何を優先するかを判断した結果です。タイヤは、走る・曲がる・止まるのすべてを支える部品であり、その取り付けの確実さは安全に直結します。だからこそ、脱着と取り付けという安全に関わる工程では、速さより確実さを取る。この判断の積み重ねが、「安全・確実・丁寧」という言葉を、実際の作業品質として支えています。

働く側にとっての意味——手の感覚が技術になる

この方針は、ここで働く人にとっても大きな意味を持ちます。手作業が基本ということは、日々の仕事の中で、手の感覚を通じて技術を身につけていくということだからです。

ナットの締まり方、ボルトの状態、車種ごとの違い。そうした情報を手で受け取りながら作業する経験は、機械任せでは得られない気づきや判断力につながっていきます。持ち込みタイヤ交換の専門店として、さまざまな車とタイヤの組み合わせに向き合う環境であれば、なおさらです。

未経験から始める場合も、最初からすべてを判断できる必要はありません。タイヤフィッターには、未経験でも3〜4ヶ月ほどで交換作業の基本をマスターできるという育成方針があります。基本を身につけたうえで、日々の作業を通じて、少しずつ手の感覚と判断力を磨いていくことができます。

まとめ

ホイールの脱着と取り付けを手作業で行うのは、古いやり方への固執ではなく、安全のための判断です。小さな違和感に気づける方法を選び、時間をかけるべき工程にきちんと時間をかける。その積み重ねが、お客様の安全と、働く人の技術の両方を支えています。タイヤ交換は、速くこなすだけの作業ではなく、安全のために考えて手を動かす仕事です。

タイヤフィッターでの働き方や募集内容について詳しく知りたい方は、タイヤフィッターの採用情報をご確認ください。




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