ジャッキアップひとつにも技術がある。車種ごとの見極め
タイヤ交換と聞くと、タイヤを外して、新しいタイヤを付ける。その部分だけを想像する方が多いかもしれません。しかし実際の作業は、その前の段階から始まっています。車体を持ち上げる「ジャッキアップ」です。タイヤが地面に接している状態では、タイヤを車両から外すことができません。つまりジャッキアップは、すべてのタイヤ交換の出発点になる工程です。今回は、この一見地味な基礎工程に、どのような技術と判断があるのかを紹介します。
タイヤ交換は、車体を持ち上げることから始まる
タイヤフィッターの公式サイトでは、タイヤ交換の作業の流れが公開されています。その中でジャッキアップは、来店・ヒアリングの次に位置する、作業の最初の工程として説明されています。
タイヤフィッターでは、車両全体を持ち上げるリフトではなく、フロアジャッキを使って作業しています。フロアジャッキであれば、車両を停める位置が決まっていなくても対応でき、1本や2本だけの交換でも、必要な箇所だけを持ち上げて作業を進められるためです。
ただし、フロアジャッキでの作業は「どこに当てて上げてもよい」わけではありません。ここに、この工程の技術性があります。
車種ごとに異なるジャッキアップポイント
車には、ジャッキを当ててよい「ジャッキアップポイント」と呼ばれる部分があります。公式サイトでも説明されているとおり、この位置や形は車種ごとにさまざまで、頑丈な車種もあれば、力のかかり方に弱い車種もあります。当てる場所や当て方を誤れば、車体を傷める原因になりかねません。
タイヤフィッターは持ち込みタイヤ交換を歓迎している専門店です。そのため、国産車から輸入車まで、日々多様な車種が入庫します。持込タイヤ交換の現場では、同じ「ジャッキアップ」という工程であっても、目の前の車に合わせた見極めが毎回求められるということです。
公式の作業説明には、「様々な車種のジャッキポイントを見極め」という表現があります。マニュアルどおりに同じ動きを繰り返すのではなく、車を見て、確認し、判断する。基礎工程でありながら、経験と知識が積み上がっていく仕事であることが、この一文からも読み取れます。
ウエスをあてがうという小さな配慮
もうひとつ、公式の説明で目を引くのが、ジャッキアップの際に「ウエスをあてがい、変形しないよう確実に」持ち上げるという記述です。ウエスとは、作業に使う布のことです。ジャッキとジャッキアップポイントの間に布をあてて保護しながら持ち上げることで、車体側の変形を防ぐ配慮がされています。
また、すでに大きな変形が確認できた場合には、作業前にお客様へ案内するとも明記されています。持ち上げる前に車の状態を見て、必要なことを伝える。ジャッキアップは、単に「上げる」作業ではなく、車の状態確認とお客様への説明までを含んだ工程だと言えます。
基礎工程だからこそ、確実さが問われる
ジャッキアップが不確実であれば、その後の脱着や組替えの作業は成り立ちません。派手さのない基礎工程こそ、安全な作業全体を支える土台になっています。
これは、働く側にとっても意味のあることです。「見極める」「保護する」「事前に伝える」という要素が、作業の入口の段階からすでに組み込まれている。つまりこの仕事は、最初に覚える基礎の部分から、確認と判断を大切にする考え方が求められる仕事だということです。基礎工程を軽く扱わない姿勢は、そのまま安全を大切にする会社の姿勢につながっています。
未経験からタイヤ交換の仕事を始める場合も、こうした基礎工程をひとつずつ確実に身につけていくことになります。タイヤフィッターの採用ページには、未経験でも3〜4ヶ月ほどで交換作業の基本をマスターできるという育成方針が示されています。最初からすべてを判断できる必要はありません。車種ごとの違いに触れながら、見極める力を段階的に育てていく仕事です。
まとめ
ジャッキアップは、タイヤ交換の中で最初に行われる基礎工程です。しかしそこには、車種ごとのジャッキアップポイントを見極める判断、ウエスをあてがって車体を守る配慮、作業前に状態を確認して伝える姿勢が含まれています。ひとつの工程を丁寧に見ていくと、タイヤ交換が「ただの作業」ではなく、確認と判断を重ねる技術職であることが見えてきます。
こうした作業を日々担うスタッフの働き方や募集内容について詳しく知りたい方は、タイヤフィッターの採用情報をご確認ください。





